セラミック治療は、美しい見た目と機能性を兼ね備えた歯科治療の一つですが、保険が適用されない自費診療となることが多く、その費用は高額になりがちです。

そこで、多くの人が気にするのが「セラミック治療は医療費控除の対象になるのか？」という点です。

この記事では、セラミック治療に医療費控除が適用されるかどうか、また医療費控除の注意点について詳しく説明します。

■医療費控除とは？

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超過分を所得税から控除できる制度です。

医療費控除の対象となるのは、医療行為を受けた本人だけでなく、同一生計の家族が支払った医療費も含まれます。

◎医療費控除の計算式

医療費控除の計算方法は以下の通りです。

(年間医療費 − 保険等で補填された額 − 10万円または所得の5％のいずれか低い額) = 医療費控除額

医療費控除額に下の税率量を掛けた額が所得税の課税対象額から差し引かれ、最終的に所得税が軽減されます。

また、医療費控除は確定申告で申請する必要があり、医療費控除の明細書などの書類も必要です。

◎税率表

所得合計額 （課税される所得額）	所得税率	（所得から差し引かれる控除額）
195万円未満	5%	0円
195万円超330万円未満	10%	97,500円
330万円超695万円未満	20%	427,500円
695万円超900万円未満	23%	636,000円
900万円超1,800万円未満	33%	1,536,000円
1,800万円超4,000万円未満	40%	2,796,000円
4,000万円超	45%	4,796,000円

■セラミック治療は医療費控除の対象になる？

◎治療目的であれば医療費控除の対象に

セラミック治療が医療費控除の対象となるかどうかは、その治療が審美目的か、治療目的かによります。

例えば、歯の機能を改善するためや、噛み合わせを整えるためにセラミックを使用する場合は、医療費控除の対象となる可能性があります。

逆に、見た目の美しさだけを追求する審美目的の治療は、控除の対象にならない場合があります。

■医療費控除で気を付けること

◎控除申請の際の必要書類

医療費控除を申請する際には、治療内容が医療費控除の対象であることを示す医療費控除の明細書や本人確認書類などが必要です。

また、医療費控除の明細書を提出することで、これまで提出していた医療費の領収書が、2017年から不要となりました。領収書は5年間自宅で保存しておくことが推奨されています。

◎世帯で申請が可能

医療費控除は、個人ではなく世帯単位で申請することができます。

これは、同じ世帯に属する家族の医療費を合算して、控除を受けられることを意味します。

例えば、夫婦や子供の医療費を一緒に申請することで、医療費の合計額が増え、控除額も大きくなる可能性があります。

また、家族と認められる範囲も比較的広いので、どこまでが認められるのかチェックしてみましょう。

家族全体の医療費をしっかり把握して申請することがポイントです。

◎交通費なども申請できる

医療費控除の対象は治療費だけではありません。

通院にかかった交通費も控除の対象になることがあります。

公共交通機関の利用にかかる費用が医療費として認められますが、自家用車を使用した場合はガソリン代や駐車料金は控除の対象外ですので、適用範囲をしっかり確認しましょう。

【セラミックの中でもどのような治療が対象となるかチェックを】

セラミック治療は、保険適用外の自費診療であるため、比較的高額な費用がかかることが一般的です。

しかし、治療目的が機能改善であれば、医療費控除の対象になる可能性があります。

医療費控除は、治療にかかった費用を所得税から控除できるため、セラミック治療を考えている方にとっては大きなメリットです。

控除の申請には、医療費控除の明細書や医療通知書が必要となるため、必要な書類を揃えておくことが大切です。