むし歯治療や歯の修復で使用される詰め物や被せ物は、従来の治療では、型取りから完成まで1週間〜2週間以上かかることが一般的でした。
しかし近年では、セレックシステムを活用することで、短期間で高品質な治療が可能になっています。
この記事ではセレックシステムの仕組みや従来の治療との違い、さらに当院での取り組みについて詳しく解説します。
目次
■セレックシステムとは
◎セレックシステムの特徴
セレックは、歯科治療用のCAD/CAMシステムで、ドイツで開発された画期的な技術です。セレックシステムの大きな特長は、詰め物や被せ物を院内で短期間に製作できる点です。
従来の治療では、歯の型取りを行い、その型を技工所に送って詰め物や被せ物を製作する必要がありました。
そのため、患者さんは仮の詰め物や被せ物で数日から数週間過ごす必要があり、治療期間が長引くケースが多くありました。
セレックシステムでは型取りや外部作業が不要で、場合によっては1日で治療を完了できることもある点が、大きな違いです。
■セレック治療のメリット
◎短期間で治療が完了
セレック治療では、患者さんの口腔内のスキャンデータを基に、院内で詰め物や被せ物を製作するため早ければ当日中に治療を終えることが可能です。
従来のように何度も通院する必要がないため、忙しい方でも無理なく治療を受けることができます。
◎高精度な仕上がり
セレックシステムは、歯の形状や噛み合わせを3Dスキャナーで詳細に記録し、コンピュータで設計するため、精度の高い詰め物や被せ物を作製できます。
◎セラミック素材を使用
セレック治療で使用するセラミック素材は、天然歯に近い色調や質感を再現します。
そのため、詰め物や被せ物が目立つことなく、自然な見た目を実現することができます。
また、金属を使用しないため、金属アレルギーのリスクがなく、安心して治療を受けられます。
セラミックは硬くて耐久性が高いことも良い点です。セラミックは壊れにくい素材のため、適切なケアを行えば長く使えてコストパフォーマンスが良いというメリットもあります。
◎二次カリエスのリスクが下がることも
セレック治療で使用するセラミック素材は、精密に設計・加工されるため、詰め物や被せ物が歯にぴったりと密着します。
これにより、隙間からむし歯菌が侵入するリスクが減り、再度むし歯になるリスクが減少します。
また、セラミックにはツルツルとした素材のため、歯垢(プラーク)が付きにくいという特徴もあります。そのため、よりむし歯のリスクを下げることができます。
◎型どりの不快感がない
従来の治療では、型取りの際にシリコン材を口に入れる必要があり、嘔吐反射などで不快感を覚える患者さんも。
セレックではデジタルスキャンを採用しているため、患者さんへの負担を減らし、不快感を解消できます。
■セレック治療の注意点
◎適応できないケースもある
セレック治療は全ての症例に適応できるわけではありません。
むし歯の状態や、歯列全体の噛み合わせや力のかかり方によっては、他の治療法が適しているケースもあります。
歯科医師とよく相談し、ご自身の歯にあった適切な治療を行うことが大切です。
◎削る量が多くなることがある
セレック治療では、金属の詰め物をするよりも歯を削る範囲が広がることがあります。
歯を削る量が心配な方は、治療前に歯科医師に相談すると良いでしょう。
【当院ではセレックシステムを導入しています】
セレックシステムは、短期間で高品質な詰め物や被せ物を作製できる良い治療法です。
忙しい方や審美性を重視する方にもおすすめでき、従来の治療法と比べてさまざまなメリットがあります。
当院では先端のセレックシステムを導入し、患者さん一人ひとりに合わせた治療を行っています。
歯の詰め物、被せ物のお悩みの方、金属アレルギーの方、治療の期間を短縮したい方など、ぜひお気軽にご相談ください。